愛知県あま市 甚目寺
整形外科・リウマチ科・外科・リハビリテーション科
医療法人もりや整形外科

ご予約・お問い合わせ 052-445-3711

もりや整形外科

医院からのお知らせ

整形外科の中の手の外科2018年02月10日

大学を卒業して大学病院で研修医を終えて最初に赴任したのは海南病院でした。当時も今も手の外科の専門病院ですが、当時はまだ周辺の工場の労働環境が整っておらず、手を怪我した患者さんが多数来院されており、大きな外傷の患者さんも頻繁に運び込まれていました。予定の手術が終わった後には毎日のように手の手術をやっていました。当時は手の外科を専門にしようと思っていましたので手術が終わった後の夜中に飼っていたハツカネズミを練習用の顕微鏡で除きながら血管を縫い合わせる練習をしたものです。
その甲斐あってその後赴任した静岡県の病院では切断指の患者さんの手術を10人ほど成功させ自信をつけていましたが、その後に赴任した病院では救急の患者さんを見ることが少なくなり、専門医もリウマチと脊椎脊髄に絞っていましたので手の外科の専門医には成らずに現在に至っています。
時代は変わり昔のように労災で手を切断したりプレスで指をつぶしてしまったりという大きな外傷はなくなり、手の外科医が診る病気・外傷も一昔前とは大分変わってきていますが、基本は変わっていません。
 
病院勤務時代に他の病院の部長先生と「今の若い先生たちもやはり1度は手の外科を真剣に勉強しないと手術が雑になるんだよね」という話をしたことがあります。手の外科医は時計職人にもたとえられ根気のいる作業を丁寧に仕上げる素質が要求されます。手の専門医に成る成らないは別として整形外科医には必要な能力です。
ずいぶん前の話ですが新潟大学で日本全国の若い医師向けに「手の外科のセミナー」と言うのをやっていて私も参加したことがあります。その中で講師の先生(当時の教授)が手の外科医は整形外科の中でも骨・関節・神経・血管・皮膚・靱帯等 運動器官の総てのスペシャリストでなければならないと言われたことを覚えています。その後現場で救急車で運ばれた患者さんのつぶれた手を前にして、「どこまで治せるだろうか」と悩んだものですが、その頃の経験は今でもしっかり役に立っています。