2026年10月11日
【コラム】「痛くないから大丈夫」は危険かも?定期検査がなぜ必要なのか
以前より、外来で患者さんとお話ししていてよく耳にするのが、
「今は痛みも落ち着いているし、検査はまた今度でいいかな」
「特に変わった症状はないから、通院はお休みしようかな」
というお声です。
お忙しい毎日の中で通院、症状や痛みがないのに検査の時間は、どうしても負担に感じてしまうこともありますよね。
しかし、整形外科で治療を続けている多くの病気において、「症状がないこと」と「病気が治っていること」は別物であることが少なくありません。
今日は、なぜ「症状が安定している時こそ、定期検査が必要なのか」について、2つの大きな理由をお話ししたいと思います。
1.病気の「予兆」を見逃さず、治療を最適化するため
整形外科で扱う慢性的な疾患の多くは、じっくりと時間をかけて変化していきます。
自分では「いつも通り」と感じていても、レントゲンや骨密度検査、血液検査の結果を見ると、目に見えないところで病気が少しずつ進行している、あるいは変化の兆しがある……というケースは珍しくありません。
また、定期検査は「今の治療がベストかどうか」を判断する絶好の機会でもあります。
例えば、現在の治療のおかげで状態が良くなっていれば、お薬を減らす「治療のステップダウン」ができるかもしれません。逆に、進行の兆しがあれば、悪化する前に「治療方針の見直し」を行うことで、より痛みの少ない状態を維持できる可能性が高まります。
「痛みが出てから」では選択肢が限られてしまうこともあります。 検査は今の状態を確認するだけでなく、その時々に合わせた最適な治療を選択するための「道しるべ」なのです。
2. お薬による「副作用」を早期に発見するため
これが、実は最もお伝えしたいポイントです。
治療のために服用しているお薬は、痛みや炎症を抑えてくれる大切なパートナーですが、長く飲み続けることで、体(特に肝臓や腎臓など)に負担がかかってしまう場合があります。
定期的な血液検査は、単に病気の数値を見るだけでなく、「今のお薬が、患者さんの体にとって適切に働いているか」をチェックするための重要な指標です。
自覚症状がなくても、数値が教えてくれるサインがあります。
早めに気づくことができれば、お薬の量を調整したり、種類を変えたりと、体に無理のない方法をすぐに選択できます。
検査は「安心」を確認するステップです
私たちが定期検査をお願いするのは、決して「面倒なことを増やしたいから」ではありません。
「今の治療をこれからも安心して続けていただけるかどうか」を、医師と一緒に客観的に確認するためです。
「次回の検査は来月ですね」とお伝えした時は、ぜひ「今の治療が順調かを確認しに行く、安心のためのステップ」と考えていただければ嬉しいです。
もし、通院のスケジュールや検査について不安なこと、疑問に思うことがあれば、いつでも診察室や受付でスタッフにお声がけくださいね。
皆様が一日でも長く、痛みなく健やかに過ごせるよう、私たちもしっかりサポートさせていただきます!
今回、ご自身の体調管理について、他に気になっていることはありますか?